三千世界の籠の鳥

第3.5話





*この先は経久×三郎のエロっていう、もう需要何それ?みたいな話です。一応エロ部分だけ切り取りって形にしております。OKって方のみどうぞ。*



寝所に呼ばれた三郎は雷蔵の顔に地毛という出で立ちだった。
素顔を晒す気にはなれず、結局顔はそのまま。
だが、彼の顔そのままと言うのも気が引けて、髪だけは自分の物を晒す気になったのだ。
御簾の中に布団という随分芝居がかった部屋の設えに、経久が本気なのだと言うことだけを察する。
挙げ句枕元には香まで焚いてあった。
それがどういう効果が有るのか等、ちょっと知識が有れば直ぐに解る事だ。
眉根を潜めて、その香炉を見つめれば、既に火が入っていることが解る。
息を止めても、どうせ結果など変わりはしないと三郎は溜息を吐いた。
あぁ、どうせならこのまま朝が来ればいいと思う。
何もされないと言うことは有り得ない。
ならば、目が覚めたら朝という、そんな状況があればいいのにと、布団の上に座ったまま考えた。
「待たせたな」
その言葉と供に御簾が上がるのが解って、三郎ははっとして頭を下げた。
「良い。閨を供にするのだから、一々畏まる必要も無かろう」
そう言って、自分を見下ろす男の言葉のまま顔を上げれば、ほう、と声を零された。
「髪だけは、自分の物を晒したか」
「…この顔は友人の物ですから。でも、私の素顔を晒す事はまだ出来ませんから」
「せめて髪だけはと言うことか」
はい、と返事をするとくくっと経久は三郎の方をじっと見つめる。
口元を、心から嬉しそうに歪めるとそっとその頬に手を滑らせた。
「…あの、乱の時より、ずっと手に入れたかった。お前の、閉じこもったような色に惚れた」
「…は…?」
そう、思わず零したところを唇を奪われた。
昼のそれよりも、ずっと激しい口づけに、三郎は思わず目を閉じる。
ぴちゃ、と水音が響く。
ゆら、と周りの空気が香炉から出る煙で揺れたような気がした。
吐く息さえも貪られるような口づけに、三郎は頭がぐらぐらした。
久々知とだってここまでの事はしていない。
部屋からここに来てから、頭の中は彼への罪悪感でいっぱいだった。
幾度、求められてもまだ怖いと拒絶していたのに。
それでも待ってくれると言った彼を裏切るのかと。
「…っ、ぁ、はっ…ぁ」
苦しそうな声を出したところで、三郎の体は後ろに倒された。
唇を貪られながら、後ろ頭に枕の感触がして、同時に彼の髪が白い布団の上に散らばった。
ちゅ、と音を立てて経久が離れれば、三郎は一気に煙の入った空気を吸い込んだ。
甘い、外の空気の筈なのに、それは甘い味がする。
そして、同時にぴりと頭の芯が痺れるような感覚がした。
先ほどまで部屋にいて、吸っていたのも有るのだろう、じわじわと香が彼の頭を蝕み始めていた。
目を開けると、生理的な涙で目の前がにじんでいる。
先ほどとは違う、経久の目に宿る獣のような気配は、それでもしっかりと見て取れた。
「…覚悟、致せ」
そう言われて、三郎は一度だけ目を閉じた。


ぐちゅぐちゅという耳を犯す水音が、確実に自分の理性を蝕んでいるのが解る。
香炉の横には用意周到としか言いようがないが、香油まで用意してあった。
自分よりも倍も年の違う男は、その経験も豊富だったようだ。
巧みに寝間着をはだけさせて、三郎を一度絶頂に追い遣った後、なおもまだ余裕を見せている。
もう、声など抑えるような気力もなく、口からはただ甘い熱っぽい声が零れている。
香油をたっぷりと塗った指が三郎自身から離れて、今度はその後ろの、自分でも触れることのない蕾へと伸ばされていた。
「っ……!」
と、半分開いた口から、声にならない悲鳴が零れて体が揺れた。
「ここに触れられるのは、初めてか?」
男相手に聞くようなことではないことを聞かれて、かっと顔が熱くなるのが解った。
片足の膝裏を持ち上げられて、灯りの元にそこははっきりと晒される。
抵抗する気など、元から無いのだが、微かに足を閉じようとしてそれも爪を立てられて制された。
「惚れた者…にも無いのか?」
そう言われて、三郎ははと顔を上げた。
に、と口元を上げた男と目が合えば、やっぱりと言うように経久は喉の奥で笑う。
「…っ、知って…」
「…いる訳なかろう。カマをかけてみたが…やはり図星か」
「……、」
返事など出来るわけもない。
香のせいで、頭の回りが悪いとはいえ、知られたく無いことをあっさりと知られてしまったのだ、悔しくないわけがなかった。
「それは…今、出雲にいるお前の仲間の誰かか…?」
「ち、がっ…」
「これも図星か」
慌てて訂正したのは逆効果なのか、経久は更に機嫌良さそうに顔を歪めた。
つ、と指が話ながら三郎の蕾へと降ろされていく。
入口を撫でるように触れられれば、息を詰めた。
「…ここまで追いかけてくるのだ、そ奴もお前を好いておるのだろうな」
「ぁ、っ…った…ぅ…」
「今、お前が儂にこうされているとそ奴が知ったら、儂を殺しに来るのだろうな」
楽しげに笑う経久の指は、それは反対に三郎の内側にじわじわと侵入を始めていた。
初めての異物感と痛みに、ぐっと息を詰めて目を瞑ってしまう。
息が出来ない、それと同時にぐらぐらと頭の中が渦巻くようになってしまう。
「今回使った香は大分、強かったというのに。流石と言うか…良く耐えている」
ふ、と経久は笑って更に中に指を進めてきた。
彼の指の腹は何かを探るように内側を滑った。
「っ、ぅあっ…!」
その指が一部を掠めれば、びくんと三郎の体が跳ねた。
ここか、と経久がつぶやいて何度も何度もそこを擦る。
その度に、三郎の頭に、体全体に電流のような感覚が行き渡る感じがした。
「ゃ、ん、…だ、こ、れっ…あ、あああっ…!」
指を増やされて、何度も何度もそこを攻められて霞掛かる頭が更にぼんやりとした。
目の前にいる男がぼんやりと更に遠くに感じた。
浮かされた意識は、それが誰か解らなくなる。
自分の脱がされた寝間着を握っていた手の爪が白くなる程、力を込めているのを経久が目に止めれば、膝裏に当てていた手がそれに重なった。
「…ぇ、…けっ…」
三郎の手に重なったそれは、自分の物よりも一回り大きくて、彼を−久々知を思い出させた。
何時も、何時も手を重ねるたびに、自分よりも大きくて暖かいのを覚えている。
それから名前を呼んで、顔をそっと近づけてくる。
睫が長いとか、彼が自分で言うよりもその顔は整っているだとか、そんな事まで頭に過ぎった。
「…へ…す……ぇ…」
そんな中で、頭の芯がぼやける。
目の前で自分を抱いているのが誰だか解らなくなった。
「…そうか、それがお前の好いている者の名前か」
経久がつぶやいた。
それが耳に届くことなど、無かった。
手を重ねられれば、それに自分から指を絡ませた。
目の前の男が、まるで彼であるような錯覚の中で、三郎は腕を伸ばした。
それに応えるように経久は体を倒して、唇を重ねた。
互いに求めるような口づけに、経久は目を細める。
甘い、強請るようなそれは自分の余裕を薄れさせるには十分だと言うのに。
この目の前の子供は、自分を好いた男と間違えて求めてくるのだ。
「ぃ、…す、け、へぇ、すけっ…」
「……三郎」
名前を呼んでやれば、ぴくんと三郎自身が跳ねて、またその嵩を増した。
「三郎」
また、名前を呼ぶと腕が今度は項の方へと伸ばされた。
「…ぃすけ、好、きだ、へぇすけ…」
耳元で、幸せそうにも聞こえる甘い声で言われて、経久は指を引き抜いた。
物寂しそうに、微かに震える内壁へと自身を押し当てて、「三郎」とまた、名前を呼んでやる。
両腕が自分の背中へと回されるのを感じれば、ふ、と彼は小さく笑いを零して、三郎の体を貫いた。





後書き…という名の懺悔です。
あの、ホント、すいませっ…!!
ぶっちゃけ、これがやりたかったからエロを入れたんです!

これ?勿論、別の相手に向かって「へぇすけ」っていう三郎ですとも!

すいません、ドン引きされると解っていても書きました、ほんとすいません。
管理人がマニアックなのはその、裏とか読んでくだされば解ると思うのですけど…ちょ、今回はホント反省します。
苦情…はい、その謹んでお受け致します。



つか、この経久×三郎って読んでくださってる方って本当どれくらい…いるのでしょうか…?
実はちょっとどころじゃなくてかなり不安だったりします。
あ、後、2、3話頑張ったら久々鉢のエロを書きたいと思ってます。
その「まぁ、いい付き合ってやるか」って心優しい方は待って頂けると嬉しいです。


 テンプレート製作者:オペラ 高橋