エピローグ
*捏造満載です。三郎の家族とか、三郎の素顔とか出てます、苦手な方はブラウザを閉じて下さいませ。*
四人が学園に着いた頃には、もう先に行っていたのか、あの侍女が退学の取り消しを願い出ていた。
雷蔵と久々知と竹谷は勝手に飛び出したと言うことで、こっぴどく叱られるところを彼女の取りなしで、お咎め無しとなった。
ただその間に進んでいた授業の補習が待っていたけれど。
二人の元に返って、雷蔵に抱きつかれるし、竹谷には頭を撫でられるしと三郎はやたら気恥ずかしい事ばかりだった。
それだけ心配してくれてたんだよ、と言われて今回ばかりは大人しくしておく気になった。
恥ずかしいついでだと、周りに思い切り甘やかされる事にしたらしい三郎は久々知の膝枕で、微かに顔を赤らめている。
撫でられる髪は、二人きりという事もあって濡れ羽色の、真っ直ぐな物だ。
「…兵助、最近強引になったな」
今回の膝枕をされたのも、半分引き倒されて頭を乗せられたに近かった。
するすると指が容易く通る三郎の地毛に手を滑らせながら、うん?と久々知が聞き返す。
精一杯の照れ隠しで、三郎の顔は久々知の腹の方を向いている。
風呂上がりのせいか、互いからするのは甘い石鹸の薫りだ。
「そう?」
「…そうだ。前は膝枕するのも…私から言い出すのを待ってたのに」
今じゃあこれだ、と小さく溜息を吐いた。
それでも無理矢理にも起きあがらないのは嫌じゃないからなんじゃないかと言いたくなるが声には出さない。
一年生の頃から想い続けて、五年間、どうすれば機嫌を損ねない様に出来るかは解っている。
「…三郎は、いやなの?」
「嫌では…無いけど」
恥ずかしいという言葉はやっぱり飲み込んでしまう。
ぎゅ、と腰の辺りに巻き付いた腕で更に彼は顔を隠した。
「…じゃあ、良いじゃん」
こっちに戻ってきてから久々知から出雲での事が話に登ることはない。
態と登らせないようにしているのもあるし、互いにまだ整理もついていないのかも知れない。
でも、それでも傍に居るのはそれ以上に居心地が良いからだ。
「…あ、でも強引になったっていうのは、ちょっと自分でも自覚があるよ」
そう言われて、三郎がふと顔を上げる。
自分を見下ろしている久々知の目が優しく歪む。
「なん…?」
で、と言おうとして自分の頬に彼の手がそっと添えられる。
柔らかな肌を慈しむようにそれが滑って、くすぐったくて肩を揺らした。
「…だって、三郎があの人に盗られるのは嫌だし」
あの人、と言われて出雲にいる男がさっと頭に出てきた。
今まで、差して気にしてないと思っていた。
あの男にされた事を気にしているとは思っていたけど、まさか本人を気にしているとは予想外だと思って、くっと三郎は溢れるように笑いを零した。
「そんなに可笑しい?」
怪訝そうに降ってきた言葉に、いや、と首を横に振ろうとしても可笑しくてそれも出来なかった。
不満そうにして、頬に宛てられていた手が今度は軽く彼の頬を摘んだ。
笑うな、と言いたげなそれにそっと手を重ねて、自分の口元に持っていく。
触れるだけ、唇を寄せて見上げると、多少赤くなった顔が見えた。
「いや、思いの外気にしてたんだと思って。最近、そんな話もしてなかったから」
「気にしてる…。気にしないわけ無いだろ?三郎は…違うの?」
「気にしてない、っていうのは嘘だけど。靡くかも知れないなんて考えてもなかったからな」
久々知の指を離して、変わりに其の手を彼の頬に滑らせる。
照れたような、その目元まで指を滑らせると「何だよ」と小さく呟かれた。
「微塵も、考えなかったのに。…そういう選択肢もあるのかと思ってしまうじゃないか」
「…ぅっ…」
「…無いよ。私が、お前以外に靡くなんてない」
そう言って、やんわり微笑むと、久々知の腕が自分の背中に伸びる。
半ば無理矢理体を起こさせられて、抱きしめられた。
そっと背中に腕を回すと、さらに彼の腕に力がこもる。
「…三郎、好きだよ」
「……」
私もだよ、と聞こえた気がしたのは唇の動きで解った。
あぁ、恥ずかしいと思ったことはお互いに同じだった。
でも、この気恥ずかしさえも幸せだと思ってしまうもきっと同じなのだろう。
目の前にある体温がずっとここに居てくれれば良いと、そればかりを互いに思って、互いに微かに体を離す。
視線を絡ませて、それから触れるだけの口づけをした。
「…はずっ」
「今更だろう?」
そう、三郎が返すと久々知も「そうだな」と言って笑った。
終幕
言い訳
取りあえずエピローグも終わりです!
長い間本当にお付き合い有難うございました。
こんな長いの椛月自身もほっとんど書いたことがないので、上手く終わらせられるか不安でしょうがなかったんですけど!
多分穴もかなりあると思いますが、ここまでお付き合い有難うございました。
ああ、お礼しか出てきません(汗)
以下、自分で思ってたことです。
この話を読み返していて、自分でももっと書けば良かったなぁと思うところが多々あったりするのですが。
雷蔵と三郎の事とか竹谷と三郎とか(接触がほぼ無い事に読み返して気付いた)、後、久々知の三郎に対する何処から出てきたのか解らない自信(え)。
な、何か、うちの久々知は自信満々じゃないですか?(汗)
読み返してて思ってしまったんですけど。
ちっとも三郎が自分のこと好きってのに疑いを持ってないのですけど。
何か途中からこの部屋がメインっぽかったんですけど。
きっとまだメイン状態が続きます。
え、何で?ってそりゃぁ、他にちょっと書きたい物があるので、こっちにさせて貰います。
あ、日記で書きたい書きたいって言ってた奴です。
それではここまで読んでくださって本当に本当に、有難うございました!
テンプレート製作者:オペラ 高橋