さよならさんかく

もう三角形じゃないのです。

目の前が真っ暗になるというのはきっとこの事だと思った。
私とはっちゃんと三郎と、雷蔵と四人で街に行こうとなったのは昨日の夜の話だった。
久しぶりに遊びに行こうと話をして、それから時間も調整した。
でも、二人が時間に遅れていたからどうしたのだろうと呼びに行ったのがいけなかったんだ。
無視してはっちゃんと二人で遊びに行けばよかったのかもしれないし、私が呼びに行くって言わなければよかったのかもしれない。
何してるんだ、と言って声をかけようとして私の口は、小さく開いたまま固まってしまったから。
抱きしめあって、幸せそうに寝ている二人なんて見るんじゃなかった。
三郎は雷蔵の胸元に顔を寄せていたし、雷蔵はそんな彼の背中に腕をまわして引き寄せるようにしていた。
あぁ、約束なんて守ろうとしなければよかったんだ。
誰も入り込むことなんてできないんだと言われているような、そんな中で私は踵を返した。
私は、三郎が好きだった。
いっつも悪戯ばっかりしてるけれど、それは寂しさの裏返しだと思ってた。
構ってほしいから悪戯をする、子供の論理で動いてるんだと。
それが急にかわいく見えたりしたからいけなかったんだ。
でも、一緒に三郎が雷蔵のことしか見てないのも知ってた。
どんな時でも彼の視線の先は雷蔵で、悪戯をして叱って欲しいのも雷蔵だけだった。
直向きに、一途に、雷蔵だけを思っているのも可愛くて、それが自分に向けられたらどれだけ幸せだろうって思ってたこともある。
だから、雷蔵がその思いに気付かずにいてくれればいいと思っていたのに。
私は入り込むことすら許されないんだと、あれを見てはっきりわかってしまった。
「起きないから…書き置き残して、二人でってはっちゃんに言わないとな」
そう小さくつぶやいて、こぼれそうになる涙を必死でこらえた。

end

後書き

雷鉢←久々知です。
なんか私はこの三人の組み合わせが好きみたいです。ってか、この三人で作る三角関係が好きらしいと…(何)でも、どう転がってもきっと身を引くのは久々知になりそうだなぁと思ってしまいます。