ほら、貴方が触れれば (溶けてしまう)
(私はとても脆いのだ。)
そっと三郎の顔の輪郭をなぞるように触れると、びくりと肩が揺れたのが解った。
まるで怯えるようなその気配に、一瞬僕も手を止める。
縁をなぞる様に動かして、今度は掌でその顔全体に触れると「……雷蔵っ」と少しだけ咎めるような声が上がった。
見ないから、目を閉じているから、せめて触れさせてくれと言うと、じゃあ少しだけという条件付きで、三郎は承諾してくれた。
昔は何度か見たことのある顔、しかも時々晒している癖に、こうやってしっかりと確かめられるのは嫌なのだという。
自分を自分として認識されるのが嫌なのだそうだ。
目、鼻、唇、耳と顔の部品を順番になぞっていくとその頬が微かに熱くなったのが解った。
あぁ、照れてるんだ、と気配で解ってその顔を見たいと目を開けてみたくなるけれど、きっと本気で怒るからそれはしない。
流石に僕でも本気で怒った三郎の相手をするのは大変だ。
「雷蔵、もう、良いだろう?」
と、何処か焦ったような声を出すから、余計に苛めたくなって「もう少し」と返した。
ぐ、と息を飲む彼の気配が可愛くて堪らなかった。
「やっぱり、目を開けたいよ」
ダメ?と聞くと、流石に手首を掴まれた。
でも、一瞬迷うように彼は息を詰めて「いつか…決心が着いたら」と帰ってきた。
そう、いつか…。
彼の言葉を繰り返すように頭の中で反芻する。
「そう、解った」
そう言って、僕は彼の顔から手を離す。
(脆いから、もう少しだけ待って欲しいの、)
end
双忍です、いぇい。
この二人で三郎の顔ネタは一度はやっておかないと思いまして。
一年生の頃とか見てる筈なんだけど、どうしても思い出せないとかだと良いです。
晒して歩いてるのに、誰も知らないって言うのはそれが三郎だと解らないから誰も知らないになるのか、深いなぁ、凄いなぁと思ったり。
そっと三郎の顔の輪郭をなぞるように触れると、びくりと肩が揺れたのが解った。
まるで怯えるようなその気配に、一瞬僕も手を止める。
縁をなぞる様に動かして、今度は掌でその顔全体に触れると「……雷蔵っ」と少しだけ咎めるような声が上がった。
見ないから、目を閉じているから、せめて触れさせてくれと言うと、じゃあ少しだけという条件付きで、三郎は承諾してくれた。
昔は何度か見たことのある顔、しかも時々晒している癖に、こうやってしっかりと確かめられるのは嫌なのだという。
自分を自分として認識されるのが嫌なのだそうだ。
目、鼻、唇、耳と顔の部品を順番になぞっていくとその頬が微かに熱くなったのが解った。
あぁ、照れてるんだ、と気配で解ってその顔を見たいと目を開けてみたくなるけれど、きっと本気で怒るからそれはしない。
流石に僕でも本気で怒った三郎の相手をするのは大変だ。
「雷蔵、もう、良いだろう?」
と、何処か焦ったような声を出すから、余計に苛めたくなって「もう少し」と返した。
ぐ、と息を飲む彼の気配が可愛くて堪らなかった。
「やっぱり、目を開けたいよ」
ダメ?と聞くと、流石に手首を掴まれた。
でも、一瞬迷うように彼は息を詰めて「いつか…決心が着いたら」と帰ってきた。
そう、いつか…。
彼の言葉を繰り返すように頭の中で反芻する。
「そう、解った」
そう言って、僕は彼の顔から手を離す。
(脆いから、もう少しだけ待って欲しいの、)
end
双忍です、いぇい。
この二人で三郎の顔ネタは一度はやっておかないと思いまして。
一年生の頃とか見てる筈なんだけど、どうしても思い出せないとかだと良いです。
晒して歩いてるのに、誰も知らないって言うのはそれが三郎だと解らないから誰も知らないになるのか、深いなぁ、凄いなぁと思ったり。