毛糸のはらまき (重要機密です)
俺は今絶体絶命のピンチに立たされている。
両手首をしっかり掴まれて、ベッドに押し倒されて、上にのしかかられている。
そして俺の彼氏は今、俺の腹の辺りに座り込んでいるのだ。
「タカ丸さん、どうしてダメなんですか?」
ぎりぎりぎりと目前までその綺麗な顔を近づけながら喜八郎は悲しそうに、その目を揺らした。
う、と俺はそれに一瞬怯みそうになって、そしてはっとして首を横に振る。
だめだめだめ、絶対だめ、今日だけはダメなんだ!
どんなに強引に迫られようとも、今日だけは絶対に服を脱ぐわけにはいかなかった。
そう、今日は…こんなこと予測してなかったから。
後、すっかり忘れてたんだ、だから喜八郎の家に来ちゃったんだ。
腹巻き…巻いてるのすっかり忘れてた。
最近の腹巻きは可愛くて、色も色々ある。
ピンクとか紫とか、多分女の子用なんだろうな。
それを買って、寒くなってからは毎日着用していた。
ここ数日喜八郎とはご無沙汰だったのは、別にそれが原因じゃないんだけど(単に予定が合わなかっただけ)。
「だ、ダメ。今日は本当にダメ!明日、明日なら良いから!」
「私は今が良いんです」
ぴしゃりと言われて、流石に俺も口を噤む。
気が付けば、俺の手首を掴む喜八郎の手は一つになってて、もう片方はするとシャツの下に入り込もうとしていた。
「だ、だ、ダメだってばぁああ!」
泣きそうになりながら、叫ぶと流石に喜八郎もびっくりしたのか手を止めてくれて。
「…タカ丸さん、私のこと、嫌いになったんですか?」
寂しそうな目で喜八郎が俺のことを見てきた。
それに俺は慌てて体を起こして、ぎゅっとその体を抱きしめる。
だって、捨て猫みたいだったんだもの。
「違うよ、喜八郎。今日はダメなんだ、明日まで待って…そ、それか…ちょっと…トイレに行かせてくれると…良いんだけど」
そう言うと、喜八郎は暫く考えてから、もぞと手を動かした。
「…タカ丸さん、そんなに腹巻きが恥ずかしいんですか?」
そう言われて、俺も視線を下に降ろした。
まさか、と思ってみてみると今日俺が着けてきていたパッションピンクの腹巻きが顔を出している。
「き、喜八郎…まさか、知って…」
そう言うと、喜八郎は綺麗なその顔に満面の笑みを浮かべてこくんと頷いた。
「はい。昨日、体育の時に見たので」
知ってました、と言われてへ?と何だか泣きそうになってしまう。
「これで問題はありませんよね?」
それ、俺に拒否権なんかないじゃないと言いたくなるような笑顔で、また押し倒されてしまった。
俺の重要機密なんて、とっくにそんな物じゃなかったって知ったことがショックで。
喜八郎が俺の服を脱がしに掛かっていることなんて、すっかり頭から抜けてしまったのだった。
end
冬の綾タカです。 この後、タカ丸は綾部に美味しく頂かれるわけです(何)
腹巻きと言われて、誰が巻いてて、しかも恥ずかしがるかなぁと思ってたんですが、タカ丸しか思いつきませんでした。
鉢屋→そもそも着けない、食満→多分温かいぞって言って見せる。
両手首をしっかり掴まれて、ベッドに押し倒されて、上にのしかかられている。
そして俺の彼氏は今、俺の腹の辺りに座り込んでいるのだ。
「タカ丸さん、どうしてダメなんですか?」
ぎりぎりぎりと目前までその綺麗な顔を近づけながら喜八郎は悲しそうに、その目を揺らした。
う、と俺はそれに一瞬怯みそうになって、そしてはっとして首を横に振る。
だめだめだめ、絶対だめ、今日だけはダメなんだ!
どんなに強引に迫られようとも、今日だけは絶対に服を脱ぐわけにはいかなかった。
そう、今日は…こんなこと予測してなかったから。
後、すっかり忘れてたんだ、だから喜八郎の家に来ちゃったんだ。
腹巻き…巻いてるのすっかり忘れてた。
最近の腹巻きは可愛くて、色も色々ある。
ピンクとか紫とか、多分女の子用なんだろうな。
それを買って、寒くなってからは毎日着用していた。
ここ数日喜八郎とはご無沙汰だったのは、別にそれが原因じゃないんだけど(単に予定が合わなかっただけ)。
「だ、ダメ。今日は本当にダメ!明日、明日なら良いから!」
「私は今が良いんです」
ぴしゃりと言われて、流石に俺も口を噤む。
気が付けば、俺の手首を掴む喜八郎の手は一つになってて、もう片方はするとシャツの下に入り込もうとしていた。
「だ、だ、ダメだってばぁああ!」
泣きそうになりながら、叫ぶと流石に喜八郎もびっくりしたのか手を止めてくれて。
「…タカ丸さん、私のこと、嫌いになったんですか?」
寂しそうな目で喜八郎が俺のことを見てきた。
それに俺は慌てて体を起こして、ぎゅっとその体を抱きしめる。
だって、捨て猫みたいだったんだもの。
「違うよ、喜八郎。今日はダメなんだ、明日まで待って…そ、それか…ちょっと…トイレに行かせてくれると…良いんだけど」
そう言うと、喜八郎は暫く考えてから、もぞと手を動かした。
「…タカ丸さん、そんなに腹巻きが恥ずかしいんですか?」
そう言われて、俺も視線を下に降ろした。
まさか、と思ってみてみると今日俺が着けてきていたパッションピンクの腹巻きが顔を出している。
「き、喜八郎…まさか、知って…」
そう言うと、喜八郎は綺麗なその顔に満面の笑みを浮かべてこくんと頷いた。
「はい。昨日、体育の時に見たので」
知ってました、と言われてへ?と何だか泣きそうになってしまう。
「これで問題はありませんよね?」
それ、俺に拒否権なんかないじゃないと言いたくなるような笑顔で、また押し倒されてしまった。
俺の重要機密なんて、とっくにそんな物じゃなかったって知ったことがショックで。
喜八郎が俺の服を脱がしに掛かっていることなんて、すっかり頭から抜けてしまったのだった。
end
冬の綾タカです。 この後、タカ丸は綾部に美味しく頂かれるわけです(何)
腹巻きと言われて、誰が巻いてて、しかも恥ずかしがるかなぁと思ってたんですが、タカ丸しか思いつきませんでした。
鉢屋→そもそも着けない、食満→多分温かいぞって言って見せる。