甘やかしたちの午後
「寝てる?」
雷蔵が部屋に帰ってみれば、そこにはぐっすりと眠る三郎の姿があった。そう言えば、昨日から三郎は任務で出ていたのだっけと思い出す。それでさっき帰って来たのかと、眠っている理由に行きついた。だけどなぁと雷蔵は三郎を見下ろした。今、三郎が寝ているのは朝、雷蔵がしまい忘れた布団だった。畳んだけれど、時間がないせいで結局出しっぱなしにしてしまっていたのだ。三郎はその丸めた様な布団に寄りかかって眠っていたのだ。
意外と場所をとっているそれ、そこで寝ている三郎、どうするべきか雷蔵は頭を抱えてしまった。普段なら三郎を起こして、布団を片付けるのだが、今日ばかりは可哀相な気がした。疲れて帰ってきたんだろうし、と出入り口で固まってしまったのだ。
「あれ?雷蔵、どうしたの?」
「あ、勘右衛門…、」
声をかけられて顔を上げれば、どうやら部屋に帰る途中だった勘右衛門が居た。どうかしたのかと問われれば、雷蔵はあのねと部屋の中へと視線を向ける。
そこにいた三郎を見て、勘右衛門は何となく状況を察知したらしい。勘右衛門もどうして三郎がそこで眠っているのか理解した。それと同時に、雷蔵が何を苦悩しているのかも。
「……寝かせておいてあげた方が良いんじゃない?」
そう言われて、雷蔵はそう?と首をかしげた。そうだよと肯く勘右衛門に後押しされるように雷蔵もそうだねと肯き返した。
「……雷蔵が料理?」
兵助と八左ヱ門は食堂に入ってきた時にぽかんとした。食堂にいたのは、そこの主である女性ではなくて友人の雷蔵だったからだ。そして、それを配膳台越しに勘右衛門が見ているという状況だった。
「何やってんだ、お前ら?」
「……実はさ、三郎が戻ってきたんだよ、さっき」
「三郎が?」
そう、と肯いて雷蔵はまた台所へ向かう。何を作っているのかと思えば、恐らく野菜をふんだんに使ったみそ汁と握り飯だろう。握り飯はやけに大きくて形は歪だし、具である野菜もぶつ切りになっている。
それを見て、兵助と八左ヱ門は苦笑を浮かべた。だが、それに突っ込むのも何だか気が引ける気がする。それに雷蔵は三郎のためにやっているのだから、自分達が口出しをする必要もない気がした。
「起きたら腹が減ってるかもって作ってるんだけどねぇ」
「…言いたい事は解るけどさ」
そう、兵助と勘右衛門は視線を合わせた。口には出さないけれど、お世辞にも上手とは言えない。
「雷蔵、俺達も手伝おうか?」
八左ヱ門が台所に入りながら問いかける。その言葉を聞けば、雷蔵は少しだけ悩んで、それからこくりと肯いた。
「…じゃあ、お願いしても良い?」
その言葉を合図とするかのように、兵助と勘右衛門も八左ヱ門の後に続いたのだった。
end
どっちかって言うと甘やかす準備です。この後、食べきれないほどのお握りとみそ汁を三郎は差し出されることになるわけで。…腹壊さないだろうか(え)
雷蔵が部屋に帰ってみれば、そこにはぐっすりと眠る三郎の姿があった。そう言えば、昨日から三郎は任務で出ていたのだっけと思い出す。それでさっき帰って来たのかと、眠っている理由に行きついた。だけどなぁと雷蔵は三郎を見下ろした。今、三郎が寝ているのは朝、雷蔵がしまい忘れた布団だった。畳んだけれど、時間がないせいで結局出しっぱなしにしてしまっていたのだ。三郎はその丸めた様な布団に寄りかかって眠っていたのだ。
意外と場所をとっているそれ、そこで寝ている三郎、どうするべきか雷蔵は頭を抱えてしまった。普段なら三郎を起こして、布団を片付けるのだが、今日ばかりは可哀相な気がした。疲れて帰ってきたんだろうし、と出入り口で固まってしまったのだ。
「あれ?雷蔵、どうしたの?」
「あ、勘右衛門…、」
声をかけられて顔を上げれば、どうやら部屋に帰る途中だった勘右衛門が居た。どうかしたのかと問われれば、雷蔵はあのねと部屋の中へと視線を向ける。
そこにいた三郎を見て、勘右衛門は何となく状況を察知したらしい。勘右衛門もどうして三郎がそこで眠っているのか理解した。それと同時に、雷蔵が何を苦悩しているのかも。
「……寝かせておいてあげた方が良いんじゃない?」
そう言われて、雷蔵はそう?と首をかしげた。そうだよと肯く勘右衛門に後押しされるように雷蔵もそうだねと肯き返した。
「……雷蔵が料理?」
兵助と八左ヱ門は食堂に入ってきた時にぽかんとした。食堂にいたのは、そこの主である女性ではなくて友人の雷蔵だったからだ。そして、それを配膳台越しに勘右衛門が見ているという状況だった。
「何やってんだ、お前ら?」
「……実はさ、三郎が戻ってきたんだよ、さっき」
「三郎が?」
そう、と肯いて雷蔵はまた台所へ向かう。何を作っているのかと思えば、恐らく野菜をふんだんに使ったみそ汁と握り飯だろう。握り飯はやけに大きくて形は歪だし、具である野菜もぶつ切りになっている。
それを見て、兵助と八左ヱ門は苦笑を浮かべた。だが、それに突っ込むのも何だか気が引ける気がする。それに雷蔵は三郎のためにやっているのだから、自分達が口出しをする必要もない気がした。
「起きたら腹が減ってるかもって作ってるんだけどねぇ」
「…言いたい事は解るけどさ」
そう、兵助と勘右衛門は視線を合わせた。口には出さないけれど、お世辞にも上手とは言えない。
「雷蔵、俺達も手伝おうか?」
八左ヱ門が台所に入りながら問いかける。その言葉を聞けば、雷蔵は少しだけ悩んで、それからこくりと肯いた。
「…じゃあ、お願いしても良い?」
その言葉を合図とするかのように、兵助と勘右衛門も八左ヱ門の後に続いたのだった。
end
どっちかって言うと甘やかす準備です。この後、食べきれないほどのお握りとみそ汁を三郎は差し出されることになるわけで。…腹壊さないだろうか(え)