首輪は無いの?
「買ってきたんだ」
そう言われて差し出されたのは、赤い縮緬に鈴まで付いた首輪である。
どうやら委員会を済ませたらしい兵助と竹谷は町まで行ってこれを買ってきたらしかった。
それを差し出されれば三郎と雷蔵はぽかんとして、二人を見つめてしまう。
「「なぜ?」」
と、同時に尋ねれば竹谷と兵助は「いや、ほら」「うん、だってさぁ」と微妙に言葉を交わしている。
「猫にはやっぱり」
「赤い首輪だろう?」
猫、と言われれば雷蔵は三郎を見やり、三郎は自分を指差している。
「私に、付けろって言うのか?」
ひくり、と口の端を釣り上げながら三郎は二人を見つめた。
「まぁ、端的にいえば」
「後ほら、雷蔵が好きそうだなって思って」
そう言われれば今度は雷蔵が噴き出す番だった。
「ちょっ、ちょっと待ってよ!僕が好きそうって、それどういう意味?!」
「え、そりゃぁそのままだよなぁ、はっちゃん」
「おう、そうだよなぁ、兵助」
なー、と言いながらふざけた様子で手のひらを合わせて、目を見つめあいながら首を傾げたりしている。
それを見ながら三郎は三郎で、「馬鹿じゃねぇの、おまえら…」と頭を抱えている。
「でも、ほら」
「そういうのあった方が盛り上がるだろうし」
と、二人は完全にからかう体制に入っている。
盛り上がるといわれてしまえば、三郎が「お、お、お、おまえらなぁあ!」と怒鳴りながら立ち上がった。
それに合わせて、二人も「おお、怒った」「逃げるか兵助!」と言いながらさっと立ち上がる。
そして、そのまま障子の方へと走っていたのだ。
間違いなく、外まで三郎が追いかけて来れないと知ってやっているのだ。
ばたばたという足音を響かせながら、二人はそのまま外へと逃げ出している。
三郎は三郎で、追いかけようとするけれどやはり羞恥の方が勝ったらしい、顔を赤くしながら「覚えてろよ、おまらぁあ!」と廊下を走っている二人に怒鳴っていた。
部屋には、呆れたような雷蔵と赤い首輪だけが残されている。
それを視界に入れてそっと手に取った。
不意に、そのまま視線を三郎へと向けた。
悔しそうに、廊下を睨みつける彼と首輪を見比べる。
「…確かに、似合いそうだけど」
さて、本当にこれを三郎がつけてくれるのか。
(まぁ、ちょっとおねだりすればイチコロかなぁ…)
と、少しだけ乗り気になってしまったのだった。
そう言われて差し出されたのは、赤い縮緬に鈴まで付いた首輪である。
どうやら委員会を済ませたらしい兵助と竹谷は町まで行ってこれを買ってきたらしかった。
それを差し出されれば三郎と雷蔵はぽかんとして、二人を見つめてしまう。
「「なぜ?」」
と、同時に尋ねれば竹谷と兵助は「いや、ほら」「うん、だってさぁ」と微妙に言葉を交わしている。
「猫にはやっぱり」
「赤い首輪だろう?」
猫、と言われれば雷蔵は三郎を見やり、三郎は自分を指差している。
「私に、付けろって言うのか?」
ひくり、と口の端を釣り上げながら三郎は二人を見つめた。
「まぁ、端的にいえば」
「後ほら、雷蔵が好きそうだなって思って」
そう言われれば今度は雷蔵が噴き出す番だった。
「ちょっ、ちょっと待ってよ!僕が好きそうって、それどういう意味?!」
「え、そりゃぁそのままだよなぁ、はっちゃん」
「おう、そうだよなぁ、兵助」
なー、と言いながらふざけた様子で手のひらを合わせて、目を見つめあいながら首を傾げたりしている。
それを見ながら三郎は三郎で、「馬鹿じゃねぇの、おまえら…」と頭を抱えている。
「でも、ほら」
「そういうのあった方が盛り上がるだろうし」
と、二人は完全にからかう体制に入っている。
盛り上がるといわれてしまえば、三郎が「お、お、お、おまえらなぁあ!」と怒鳴りながら立ち上がった。
それに合わせて、二人も「おお、怒った」「逃げるか兵助!」と言いながらさっと立ち上がる。
そして、そのまま障子の方へと走っていたのだ。
間違いなく、外まで三郎が追いかけて来れないと知ってやっているのだ。
ばたばたという足音を響かせながら、二人はそのまま外へと逃げ出している。
三郎は三郎で、追いかけようとするけれどやはり羞恥の方が勝ったらしい、顔を赤くしながら「覚えてろよ、おまらぁあ!」と廊下を走っている二人に怒鳴っていた。
部屋には、呆れたような雷蔵と赤い首輪だけが残されている。
それを視界に入れてそっと手に取った。
不意に、そのまま視線を三郎へと向けた。
悔しそうに、廊下を睨みつける彼と首輪を見比べる。
「…確かに、似合いそうだけど」
さて、本当にこれを三郎がつけてくれるのか。
(まぁ、ちょっとおねだりすればイチコロかなぁ…)
と、少しだけ乗り気になってしまったのだった。