あなたの声をよく聞くためです
「全く人騒がせな…」
うぅん、と魘されながら寝ている三郎の隣で竹谷と兵助が呆れたようにため息をついた。
気絶したという雷蔵の叫び声は長屋中に響き渡った。
一体誰が、と言って5年生がこぞって見に来てしまったのだ。
が、いち早く来た二人も、驚きはしたもののあまり人に見せない方がいいという判断から「大丈夫、何でもない!」を連発したのだから、雷蔵や三郎本人よりは冷静だった。
全員を追い払ったあたりで、兵助が手ぬぐいと水、竹谷と雷蔵で三郎を布団に寝かしたのだった。
よほどショックだったのか、彼はまだはっきりとは目覚めていない。
むしろ、「猫、猫が、猫が…」と魘されているくらいだった。
「そんなにこれがショックだったのか…」
そう言って、竹谷が三郎の耳から生えている猫耳をじっと見つめた。
力なくへちょっとつぶれているそれが、今の三郎の気分を表しているらしい。
「うーん…三郎、突発的なことに弱いから。人がそれで驚くのを見るのは好きらしいんだけど、自分に降りかかるってなるとね」
こんな感じだよ、と耳と尻尾へと雷蔵が視線をやった。
それに合わせて、兵助も竹谷も視線を送れば、兵助がん?と幽かにその耳へと視線を固定した。
どうしようか、なんて話をしている竹谷と雷蔵を余所に兵助はその耳をじっと見つめる。
ぴくぴくと動いているそれは、確かに雷蔵の方を向いていた。
今、三人は三郎をはさんで、雷蔵その向かいに兵助と竹谷という風に座ってる。
そして、寝ている三郎の耳は確かに雷蔵の方だけしっかり動いているのだ。
ちらと兵助は雷蔵の方へと視線をやった。
「憑き物とか」
「いたずらは?」
「それはないってば」
という言葉を交わしている為、その動きには気づいていないらしい。
三郎の耳は雷蔵の方だけ、しっかり立っていた。
「…お前、気絶しても雷蔵ばっかりなんだなぁ」
そう呟けば、兵助の方を向いていた耳が少しだけ震えた。
うぅん、と魘されながら寝ている三郎の隣で竹谷と兵助が呆れたようにため息をついた。
気絶したという雷蔵の叫び声は長屋中に響き渡った。
一体誰が、と言って5年生がこぞって見に来てしまったのだ。
が、いち早く来た二人も、驚きはしたもののあまり人に見せない方がいいという判断から「大丈夫、何でもない!」を連発したのだから、雷蔵や三郎本人よりは冷静だった。
全員を追い払ったあたりで、兵助が手ぬぐいと水、竹谷と雷蔵で三郎を布団に寝かしたのだった。
よほどショックだったのか、彼はまだはっきりとは目覚めていない。
むしろ、「猫、猫が、猫が…」と魘されているくらいだった。
「そんなにこれがショックだったのか…」
そう言って、竹谷が三郎の耳から生えている猫耳をじっと見つめた。
力なくへちょっとつぶれているそれが、今の三郎の気分を表しているらしい。
「うーん…三郎、突発的なことに弱いから。人がそれで驚くのを見るのは好きらしいんだけど、自分に降りかかるってなるとね」
こんな感じだよ、と耳と尻尾へと雷蔵が視線をやった。
それに合わせて、兵助も竹谷も視線を送れば、兵助がん?と幽かにその耳へと視線を固定した。
どうしようか、なんて話をしている竹谷と雷蔵を余所に兵助はその耳をじっと見つめる。
ぴくぴくと動いているそれは、確かに雷蔵の方を向いていた。
今、三人は三郎をはさんで、雷蔵その向かいに兵助と竹谷という風に座ってる。
そして、寝ている三郎の耳は確かに雷蔵の方だけしっかり動いているのだ。
ちらと兵助は雷蔵の方へと視線をやった。
「憑き物とか」
「いたずらは?」
「それはないってば」
という言葉を交わしている為、その動きには気づいていないらしい。
三郎の耳は雷蔵の方だけ、しっかり立っていた。
「…お前、気絶しても雷蔵ばっかりなんだなぁ」
そう呟けば、兵助の方を向いていた耳が少しだけ震えた。