なに これ
土曜日の朝はゆっくり寝ると言うのが二人の決まりごとだった。
普段は多少無理をしても早めに起きる三郎が、土曜日くらいと言ったからというのもある。
目を覚ませば、太陽はかなりの高さまで登っていて、それはやわらかな小春日を送ってくれていた。
それを瞼に受ければ雷蔵はゆっくりと目を開けたのだ。
まだ少しだけぼんやりする視界を、目を擦ることではっきりさせて、時間を確認しようとする。
影がこれくらいだから、きっとそろそろ昼も過ぎるのだろうとのっそりと体を起こして、結んでいない髪の毛を手櫛で梳かした。
あぁ、そうだいい加減三郎も起こさないといけない、と隣の丸くなっている布団を見やった。
そこから聞こえるのは気持ちよさそうな寝息で、相変わらずよく寝るなぁと思ってしまった。
ふわぁと雷蔵も一度だけあくびをこぼしてから、その蒲団へと手を伸ばす。
「さぶろー、ほら、起きて。もうお昼だよ」
「ん〜〜〜〜」
何時もどおり、布団からはやだというようなくぐもった声がこぼれてくる。
それに「もう、昼ごはん食べ損ねるよ」と声をかけて、その布団を引きはがそうと手を伸ばす。
やだぁ、とか何とか言っているのを無視してばりっと毟るように布団をはがせば雷蔵はその眼を見開くことになってしまったのだ。
「雷蔵、寒い〜〜」
だから嫌なのに、と言っている三郎の耳には、確かに二つの動物の耳が生えていた。
ぷるぷると震えているそれにぱたぱたと忙しなく動くのは、寝間着の間から覗く尻尾だ。
両方とも綺麗な三毛模様をしていた。
「雷蔵?なぁ、聞いてるのか?!」
布団返せよ、と言われても雷蔵はぽかーんとしてしまう。
おい、ともう一度言われたところで布団をぽいと放り投げて、ぱたぱた動く尻尾へと手を伸ばしたのだ。
「いった!何、雷蔵何触ったんだよ!」
痛い!とその尻尾を触れば三郎が盛大に声を上げた。
痛そうに、きっと繋がっているのだろう腰のあたりに手を当てている。
「三郎、尻尾だ」
「は?」
「君に、猫耳と尻尾が生えてる」
そう言われれば、は?と三郎が眉根を寄せた。
それに合わせて、頭の耳もぱたりと軽く折れ曲がる。
ほら、と言ってそれを指差せば「何、冗談言って…」と言いながら三郎はそれに手をやった。
さわり、とその耳を両手でつかんでしまえば、その眼が見開かれる。
「なに、これ?」
と言いながら、三郎はゆっくりと後ろに置いてある鏡台へと手を伸ばした。
布を取ればそこには、きれいに磨かれた鏡が置いてある。
そう、そこには間違いなく三毛の猫耳と尻尾を生やした三郎が写っていて。
がちぃんと音がしそうなほど、彼の表情は固まっていた。
「三郎?大丈夫?」
そう言って、雷蔵が肩に手を置けば、ふっとその体の力が抜けた。
「え?!ちょっ、三郎?!三郎!!」
うわぁああ、気絶したぁあああ!という声が5年長屋に響いたのだった。
普段は多少無理をしても早めに起きる三郎が、土曜日くらいと言ったからというのもある。
目を覚ませば、太陽はかなりの高さまで登っていて、それはやわらかな小春日を送ってくれていた。
それを瞼に受ければ雷蔵はゆっくりと目を開けたのだ。
まだ少しだけぼんやりする視界を、目を擦ることではっきりさせて、時間を確認しようとする。
影がこれくらいだから、きっとそろそろ昼も過ぎるのだろうとのっそりと体を起こして、結んでいない髪の毛を手櫛で梳かした。
あぁ、そうだいい加減三郎も起こさないといけない、と隣の丸くなっている布団を見やった。
そこから聞こえるのは気持ちよさそうな寝息で、相変わらずよく寝るなぁと思ってしまった。
ふわぁと雷蔵も一度だけあくびをこぼしてから、その蒲団へと手を伸ばす。
「さぶろー、ほら、起きて。もうお昼だよ」
「ん〜〜〜〜」
何時もどおり、布団からはやだというようなくぐもった声がこぼれてくる。
それに「もう、昼ごはん食べ損ねるよ」と声をかけて、その布団を引きはがそうと手を伸ばす。
やだぁ、とか何とか言っているのを無視してばりっと毟るように布団をはがせば雷蔵はその眼を見開くことになってしまったのだ。
「雷蔵、寒い〜〜」
だから嫌なのに、と言っている三郎の耳には、確かに二つの動物の耳が生えていた。
ぷるぷると震えているそれにぱたぱたと忙しなく動くのは、寝間着の間から覗く尻尾だ。
両方とも綺麗な三毛模様をしていた。
「雷蔵?なぁ、聞いてるのか?!」
布団返せよ、と言われても雷蔵はぽかーんとしてしまう。
おい、ともう一度言われたところで布団をぽいと放り投げて、ぱたぱた動く尻尾へと手を伸ばしたのだ。
「いった!何、雷蔵何触ったんだよ!」
痛い!とその尻尾を触れば三郎が盛大に声を上げた。
痛そうに、きっと繋がっているのだろう腰のあたりに手を当てている。
「三郎、尻尾だ」
「は?」
「君に、猫耳と尻尾が生えてる」
そう言われれば、は?と三郎が眉根を寄せた。
それに合わせて、頭の耳もぱたりと軽く折れ曲がる。
ほら、と言ってそれを指差せば「何、冗談言って…」と言いながら三郎はそれに手をやった。
さわり、とその耳を両手でつかんでしまえば、その眼が見開かれる。
「なに、これ?」
と言いながら、三郎はゆっくりと後ろに置いてある鏡台へと手を伸ばした。
布を取ればそこには、きれいに磨かれた鏡が置いてある。
そう、そこには間違いなく三毛の猫耳と尻尾を生やした三郎が写っていて。
がちぃんと音がしそうなほど、彼の表情は固まっていた。
「三郎?大丈夫?」
そう言って、雷蔵が肩に手を置けば、ふっとその体の力が抜けた。
「え?!ちょっ、三郎?!三郎!!」
うわぁああ、気絶したぁあああ!という声が5年長屋に響いたのだった。