4 何だよ、今の通り魔的犯行は



独占欲という物は、思いの外自分の中にもあるものだと思う。
良く、一個下の後輩がこれでもかと言うように自分の嫉妬を向けてくるのが不思議だった時期もあるけれど。
教室の窓から見つけてしまったのは、委員会中の三郎だ。
あんまり私には見せない、温和な表情を後輩達には向けている。
それをぼんやりと見つめていれば、何となく気分はよろしくなかった。
必要事項を後輩二人に告げて、三郎は手を振って二人から離れる。
視線に気が付いていないのか、彼はそのまま踵を返して、長屋の方に帰って行った。
それを何となく追いかけたくて私も腰を上げた。

長屋まで行けば、三郎はまだ帰って無くて、結局私はぼんやりと廊下に座ることになった。
部屋にいってみても、いなかったのだからまだ何か用があったのかも知れない。
学級委員長はやっぱり忙しいのだろうか。
ぼんやりと空を見上げれば、ゆったりと雲が流れている。
こんなに長閑なのに、どうして私は後輩相手に嫉妬なんかしてしまったのだろう。
馬鹿馬鹿しいと思ってしまうけれど、気持ちは晴れなかった。
あぁ、どうしようと思っていれば、背後に気配が一つ増える。
あ、これは三郎だと直ぐに解った。
「兵助」
と、いつもよりも自分を呼ぶ声が優しくて、びっくりして振り返ると、すぐそこに三郎の顔がある。
ちゅ、と軽い音がしてすぐにその顔が離れた。
「な、な、なっ…!」
ぱくぱくと口を開けたり閉じたりと繰り返せば、にやと悪戯っぽく笑う顔が見える。
「あんまり妬くなよ。…今晩、部屋に行ってやるからさ」
そう言って、三郎は私の頭をぽんと撫でて、すぐに踵を返した。
今、きっと私の顔は真っ赤なんだろう。
顔に手をやれば、凄く熱いのが解った。
「…気づいてたのか、彼奴」
照れ隠しの言葉はそれしか出てこなかった。

end

あれ?久々鉢?(汗)いえ、久々鉢だと私は言い張り…ます。誘い受鉢屋です!!(必死)
つか、普段三郎はどういう風に久々知に接しているのか、と。