明日筋肉痛確定

「留ちゃん、ホントごめんねぇ」
目の前で本当に悪いと思っているのか解らない、明るい笑顔を浮かべながら謝る男を一瞥して、私は溜息を吐いた。
貸し出した、それだけの筈の縄ばしごは見事にバラバラになって帰ってきたのだ。
何をしたのだと聞いても、小平太は気が付いたらこうなっていたの一点張りだ。
恐らく、つい力を入れて扱ってしまったとそう言うことなのだろう。
それでも治せないわけではないから、私は此奴を付き合わせる形で縄ばしごを修理している。
「全く…あれほど扱いには注意しろって言ってるのに」
小言を口にすると、「注意してるんだけど、こうなるんだ」
と大きく笑いながら返事が返ってくるから始末に負えない。 胡座をかいて体を揺らしながら、小平太はじっと私の手元を見ている。
「…楽しいか?」
「別にぃ」
気のない返事を返しながら、小平太はそれでもやはりじっと見ている。
「何か留ちゃんを盗られたみたいで、腹立つ…」
ぷぅと、微かに音を立てて小平太が子供のように頬を膨らませた。
はぁ、と小さく溜息を吐いて縄ばしごから視線を逸らした。
「二人きりなんだから…」
「でも、壊したのはお前だろう?」
「でも、修理は後でも出来るじゃん?」
ねぇ、と小平太が私の方へと体を傾ける。
あ、と声を上げる間もなく手首を掴まれて、彼の方へと引き倒された。
二人きりなんだから…というさっきの小平太の言葉が頭を過ぎる。
別に誘ったつもりも無かったわけではないし、少しだけ期待した自分がいるのも自覚している。
だから、抵抗もせずにあっさりとこいつが手首を掴むのを許したのだが。
「……ねぇ、留ちゃん」
ダメ?と続きそうな、強請るような声音が耳元を擽った。
「…明日は、座学だけだから」
そう言うと、小平太は「うん」と嬉しそうに笑って、更にきつく私を抱き込んだ。
ぼんやりと、あぁ、明日は本当にそれだけで良かったと、彼の肩に手を置きながら、ぼんやりと思った。

end

こへ食満です…ってか、むず…い…orz
強引で、押せ押せで、ついでに欲望に忠実な暴君が書きたいのです、そんで、それに絆される食満さんが好き。
…うん、精進したいと思います。