燃えているのは、







一体誰でしょう?

「好きだ」
「は?」
唐突に言われた言葉に、思わずそう返してしまった。
二人きりの夕日の差す教室で、ぼんやりと時間を潰していた矢先に、兵助から零された言葉に三郎は機嫌の悪い声で返事をしてしまった。
別に機嫌が悪かったわけではないし、彼のことを嫌いなわけではない。
むしろ憎からず思っている相手である、しかも幾度と無く関係も持っている。
三郎のぽかんとした反応とは変わって、平助は真剣に彼を見つめている。
元々、瞬きの少ない男であると思っていたけどここまでじっと見つめられるとやけに追いつめられているような気がしてしまうのだ。
彼の目は真っ直ぐに三郎を射抜いている。
その顔に橙色の光りが差し込んで、まるで彼が燃え上がっているようにも見えた。
真っ赤に、外からではなくて、内側からまるで身を焦がしているようにも見えて、三郎の喉が鳴る。
「私は、三郎が好きだよ」
もう一度言われて、かっと顔が赤くなるのが解る。
射抜いてくる様な目は真っ直ぐに自分を見ているのだ。
言われた言葉の強さにはお前はどうなのだと問うような語感もある気がした。
「私は……」
私は。
そこまで言葉を零して、でも結局二の句が継げなかった。
好きだと、言ってしまいそうになるのを自分で飲み込んだ。
身を焦がしてしまうのではないかと思うほどに、兵助の目はじっと自分を見ていて、その炎が自分に移ってしまうかの様に思えた。
夕日はゆっくりと、山の方へと傾いている。
言ってしまうと、身を焦がしてしまう。
この夕日の橙色が移った、彼のように。
彼への思いで、燃えてしまうのではないかと……そんな錯覚を覚えた。

好きだよ、と唇だけで紡いで三郎はすいとまた視線を兵助から逸らした。


本当は、もう、私も燃えている。

end

室町久々鉢です。
この二人は鉢屋がひたすら久々知にたじたじになっていればいいなぁと思います。
からかおうと思えば、からかえるんだけど、どうしても無理みたいな。
つか、絆されちゃう。

にしても、久々鉢の鉢屋はツンデレが萌えるのと言うのに、ちっともツンデレになってくれません(汗)