花占いはいつも

結果なんて決まっているという。

「奇数の花弁だと好きで、偶数だと嫌いで終わるんだよね、花占いって」
その辺から摘んだのだろう、タカ丸さんはくるくると白い花を回しながら呟いた。
黄色の雄蘂の群れを囲むような白い花、その真ん中に唇を寄せて息を吐けば、ふるふると白い花弁が揺れる。
うふふ、と笑えばそれに合わせて花弁が震えるのだ。
遊んでるんだなぁと思いつつ私はタカ丸さんの隣に座った。
春先だから、甘い花の匂いと気持ちの良い日差しのお陰で、お使いの帰りは寄り道しかしていない気がする。
「…喜八郎は花占いってやった?」
「いえ、私はどっちかと言うと地面を掘る方が好きでしたから。こういうのには興味が無くて」
したことはないです、と続けるとタカ丸さんはちょっと残念そうに「そっかぁ」と笑った。
タカ丸さんが持っている花の花弁は奇数で、それを見ながら少しだけ悩んだ。
奇数だと言うならば、花びらが一枚しかない花でやれば必ず結果は好きになるはずだ。
あ、後は桜とか5枚だからそうなるし。
ふと私の指先に花が一つふれた。
それはタカ丸さんが持っているのと同じもので、やっぱり花びらも同じ数だった。
これで花占いをすれば私は隣にいる彼と両想いということなのだろうか。
それをぷつりと取って、そっとその瑞々しい花弁を指にはさんでみる。
一つ、それを取って地面へと散らせばタカ丸さんが私の顔を覗き込んできた。
「占い、やってみるの?」
そう尋ねられて、えぇ、まぁと頷いた。
「喜八郎の相手は誰?」
また聞かれて、私はタカ丸さんの手元を見た。
すでに数枚の花弁が散っていて、彼の手に残っているのは一枚だけだ。
「タカ丸さんが教えてくれたら、私も教えてあげます」
そう返事をすれば、タカ丸さんの眼がかすかに開いて、ふふと小さく笑いがこぼれた。
「…なんかショック受けそうだから止めておくよ」
「……そうですか」
その返事にあぁやっぱりこの人はわかってくれてないんだなぁと、手の中にある花を全部むしった。

貴方の事ばかり考えて、この花を摘んだというのに。

end


くっついてない二人です。
タカ丸は綾部のことが好きだけど、綾部は別の人が好きだと思ってる。
綾部はタカ丸のことが好きで、両想いなんじゃないかなと思っているけどちょっと確信が持てない。
そんな感じを出したかったんですけど、ちょっと無理だったかも…(何)