十秒間の逢瀬

ほんのちょっとだけ、目が合う瞬間があるの。

ふ、と視線を感じて隣の席を見る。
歳が二つも違う同級生達は、最初俺のことを敬遠してたみたいだけど、何だかんだで友達も出来た。
最初は好奇の目で見ている子達も少なからず居たけれど、最近は何とか馴染めていると思っていたから、視線を感じてちょっとびっくりしたのもある。
隣は、一番最初に仲良くなった喜八郎で、どうしたのだろうと首を傾げるとふいと視線を逸らされた。
別に、と言うような視線の逸らされ方で俺は何だろう、とまた教科書に目を落とす。
高校の授業は何だかんだで解らない物が多い。
だから、別に打算ではないのだけれど、成績の良い滝夜叉丸とか三木ヱ門とかと仲良く慣れたのは助かっている。
喜八郎はムラがあるからなのか、自分の興味のある教科しか得意じゃないんだけど、解らないところは徹底的に教えてくれるからやっぱり助かった。
そして、今受けてる地理は喜八郎の一番好きな科目の筈だから、彼は真っ直ぐに黒板を見ている筈なんだけど。
そして、またやっぱり隣から視線を感じる。
また見られてるなぁ、と思って隣を見る、やっぱり喜八郎と目が合って、喜八郎はまた視線を逸らす。
あれ?と思って、俺はまた教科書に目をやった。
そしてやっぱり……。
態となのかなぁと思って、今度は俺が喜八郎を見つめ返そうとして、首を隣へと向けた。
どうするだろう、と楽しげに笑みを向けていると彼は、教科書から目を上げて、そして俺の方を見た。
あ、と言いたそうに目を見開くのを見て、俺は込み上げてくる笑いを必死に堪えようと、窓の方を見た。
視線は…やっぱりまだ俺の方にある。

end

まっだくっついてない綾タカです。
目指せ甘酸っぱい、なんですが、何かしょっぱくなった気がします…orz

この後、タカ丸は先生に怒られます(笑)
んで、屋上でご飯食べながら酷いよぅとか愚痴ってれば良いです。