棒付キャンディ、実はマジックステッキ
昼休みにチュッパチャップスを食べるのはタカ丸さんの日課だ。
昨日は苺、今日は薄荷と毎日味が違うのだが。
タカ丸さんの食べ方は何時も同じだ。
最初は口に含んで、ころころと口の中で転がして。
時々歯を立てて、口の中でぱきんと欠片が砕ける音がしたりする。
でも、今日はちょっと勝手が違うようだった。
最初に変だなと思ったのは、授業中。
私の直ぐ隣の席だけれど、一瞬眉を寄せてその後直ぐに気を逸らすように外を見ていた。
どうしたんだろう?と聞こうと思ったけれど、流石に授業中に声を出すわけにもいかない。
手紙、と思ったけど適当な物が見つからなくて、そのまま昼休みになってしまった。
昼休みに屋上に行って、弁当を食べるのは日課のような物だ。
大抵私とタカ丸さん、それにたまに滝とか三木ヱ門とか来るけれど。
どうやら今日は二人とも委員会で来てないようだった。
私は母の手製の弁当、タカ丸さんは購買で買ったパンを食べている。
その時も、何だか変だった。
まるで右奥歯を庇うように、左ばかりで噛んでいる。
あぁ、もしかしてと思いながら適当に話をしながら、弁当を食べ終えた。
「あー、お腹一杯」
嬉しそうに、でもちょっと無理をした笑顔でいうタカ丸さんはやっぱりチュパチャップスを鞄の中から取りだした。
カラフルな包み紙を解いて、それを何時も通り口に含んで、でも、直ぐにタカ丸さんは左の方へと入れた。
「…タカ丸さん」
流石に、と私も思って声を掛けると何時も通りぽわーんとした感じで「なぁにぃ?」と返された。
「タカ丸さん、虫歯があるなら甘いものは食べずに、歯磨きをしてください」
ほら、とチュッパチャップスの棒を軽く揺らすとタカ丸さんは一瞬ぽかんとして「ばれたー?」と笑った。
「実は昨日の夜からずーっと右奥歯が痛いんだよー。でも、隠してたつもりだったのに良くわかったねぇ、凄いな喜八郎」
まぁ、ずっと見てますからとは言えずに、私は「はい」とだけ頷いておく。
「でも、歯医者行くの嫌だなぁ、怖いんだもん。あの音とか、匂いとか俺ダメなんだよ」
「でも、放っておくのはいけません。虫歯を甘く見ると後で、もっと痛い目を見ますよ」
「…そっかぁ」
「何なら私が着いていって上げますから」
行きましょう、と続けると「…頑張るぅ」とちょっと情けない声が上がった。
からん、とタカ丸さんの歯に飴がぶつかる音がして、あ、と小さく声が上がった。
「喜八郎、あーん」
「?」
何だろうと思いながら、タカ丸さんの方を向きながら口を開ける。
からん、と私の歯に堅いものが当たる音がして、その後直ぐに甘い味が広がった。
「俺の食べかけで悪いけど、上げる。着いてきてくれるお礼、先払いって事で」
食べ差しダメじゃなかったよね、とタカ丸さんは笑う。
「ダメじゃないです…」
良かったぁ、と無邪気に笑うこの人はせめても気を遣ったらしい麦茶を飲んでいた。
私は、微かに温かい頬に手を当てながら、この棒付きキャンディを少しでも長く持たせようと思った。
end
初、綾タカです。
ついでに現パロです。
4年生はみんなで女子高生みたいに遊んでると良いと思うんですよ。
食い差しでも結構あっさり食べちゃう感じ。
イチゴミルクを回し飲みしてれば良いと思います。
あ、ちなみに現パロの彼等はみんな同じクラスです。その内設定をどっかに乗せます。
昨日は苺、今日は薄荷と毎日味が違うのだが。
タカ丸さんの食べ方は何時も同じだ。
最初は口に含んで、ころころと口の中で転がして。
時々歯を立てて、口の中でぱきんと欠片が砕ける音がしたりする。
でも、今日はちょっと勝手が違うようだった。
最初に変だなと思ったのは、授業中。
私の直ぐ隣の席だけれど、一瞬眉を寄せてその後直ぐに気を逸らすように外を見ていた。
どうしたんだろう?と聞こうと思ったけれど、流石に授業中に声を出すわけにもいかない。
手紙、と思ったけど適当な物が見つからなくて、そのまま昼休みになってしまった。
昼休みに屋上に行って、弁当を食べるのは日課のような物だ。
大抵私とタカ丸さん、それにたまに滝とか三木ヱ門とか来るけれど。
どうやら今日は二人とも委員会で来てないようだった。
私は母の手製の弁当、タカ丸さんは購買で買ったパンを食べている。
その時も、何だか変だった。
まるで右奥歯を庇うように、左ばかりで噛んでいる。
あぁ、もしかしてと思いながら適当に話をしながら、弁当を食べ終えた。
「あー、お腹一杯」
嬉しそうに、でもちょっと無理をした笑顔でいうタカ丸さんはやっぱりチュパチャップスを鞄の中から取りだした。
カラフルな包み紙を解いて、それを何時も通り口に含んで、でも、直ぐにタカ丸さんは左の方へと入れた。
「…タカ丸さん」
流石に、と私も思って声を掛けると何時も通りぽわーんとした感じで「なぁにぃ?」と返された。
「タカ丸さん、虫歯があるなら甘いものは食べずに、歯磨きをしてください」
ほら、とチュッパチャップスの棒を軽く揺らすとタカ丸さんは一瞬ぽかんとして「ばれたー?」と笑った。
「実は昨日の夜からずーっと右奥歯が痛いんだよー。でも、隠してたつもりだったのに良くわかったねぇ、凄いな喜八郎」
まぁ、ずっと見てますからとは言えずに、私は「はい」とだけ頷いておく。
「でも、歯医者行くの嫌だなぁ、怖いんだもん。あの音とか、匂いとか俺ダメなんだよ」
「でも、放っておくのはいけません。虫歯を甘く見ると後で、もっと痛い目を見ますよ」
「…そっかぁ」
「何なら私が着いていって上げますから」
行きましょう、と続けると「…頑張るぅ」とちょっと情けない声が上がった。
からん、とタカ丸さんの歯に飴がぶつかる音がして、あ、と小さく声が上がった。
「喜八郎、あーん」
「?」
何だろうと思いながら、タカ丸さんの方を向きながら口を開ける。
からん、と私の歯に堅いものが当たる音がして、その後直ぐに甘い味が広がった。
「俺の食べかけで悪いけど、上げる。着いてきてくれるお礼、先払いって事で」
食べ差しダメじゃなかったよね、とタカ丸さんは笑う。
「ダメじゃないです…」
良かったぁ、と無邪気に笑うこの人はせめても気を遣ったらしい麦茶を飲んでいた。
私は、微かに温かい頬に手を当てながら、この棒付きキャンディを少しでも長く持たせようと思った。
end
初、綾タカです。
ついでに現パロです。
4年生はみんなで女子高生みたいに遊んでると良いと思うんですよ。
食い差しでも結構あっさり食べちゃう感じ。
イチゴミルクを回し飲みしてれば良いと思います。
あ、ちなみに現パロの彼等はみんな同じクラスです。その内設定をどっかに乗せます。