いつも願いは聞き届けられず
僕は何時も置いて行かれるのだ。
不運という言葉はどんな時にだって有効なのだと、僕は思っている。
決して不幸ではないよと何時も言っていたが、こんな時ばかりはそれも詭弁だと思う。
僕の周りの人間は兎角、運は良かったけれど悪運はなかったらしい。
どれも、彼ららしいといえばらしい最期を迎えていた。
人は死ぬものだと頭でははっきりわかっているけれど、実際それを納得すのは難しいのだと僕は殊更実感している。
学園を経て、忍者になって、死と隣り合わせの生活が始まったのは何も僕だけではなかった。
どういうわけか、今でもその死が隣にありそして、それに取りこまれていないのは僕だけになってしまっていた。
「は組は不運だが、悪運には恵まれているな」
そう言って笑ったのは、最後に会った仙蔵だった。
確かに、と肯いたのは留さんで、僕は苦笑をこぼすだけだった。
小平太も長次も、文次郎でさえも既にこの世に亡く、最後まで残った三人だった。
それも今じゃあ僕一人になってしまっている。
あの後すぐに仙蔵も戦の犠牲になったと言う。
そして留さんも…。
嫌な予感がするなぁ、と言いながら出て行った彼はそのまま帰ってくる事はなかった。
僕は信じられなかったけれど、彼と僕の就職先の他の忍者からの報せの中に遺品まで混じっていたのだから、もう信じるしかなかった。
僕はそれを見て、久しぶりに泣いた。
仙蔵が死んだ時は、あれが最後の姿だったのかとそれだけを思ったはずなのに。
そうだ、僕は、世界にたった一人になってしまったのだと、それが悲しくて泣いたのだ。
僕は何時もおいて行かれる。
実習の時も、僕は救護班に割り振られて、近くまでは行っても彼らが戻ってくるのを待っているだけだった。
何時もそうだ。
こんな時くらい、僕も連れて行ってほしい。
今さら神様なんて信じる気にもなれないが、それでも僕は…今度ばかりはそれに祈らずには居られなかった。
それでも、僕が執拗にこの世にとどまっているのは…きっとその神様が僕の願いをかなえるのを拒否しているのだろう。
僕は本当に運がないのだ。
end
不運という言葉はどんな時にだって有効なのだと、僕は思っている。
決して不幸ではないよと何時も言っていたが、こんな時ばかりはそれも詭弁だと思う。
僕の周りの人間は兎角、運は良かったけれど悪運はなかったらしい。
どれも、彼ららしいといえばらしい最期を迎えていた。
人は死ぬものだと頭でははっきりわかっているけれど、実際それを納得すのは難しいのだと僕は殊更実感している。
学園を経て、忍者になって、死と隣り合わせの生活が始まったのは何も僕だけではなかった。
どういうわけか、今でもその死が隣にありそして、それに取りこまれていないのは僕だけになってしまっていた。
「は組は不運だが、悪運には恵まれているな」
そう言って笑ったのは、最後に会った仙蔵だった。
確かに、と肯いたのは留さんで、僕は苦笑をこぼすだけだった。
小平太も長次も、文次郎でさえも既にこの世に亡く、最後まで残った三人だった。
それも今じゃあ僕一人になってしまっている。
あの後すぐに仙蔵も戦の犠牲になったと言う。
そして留さんも…。
嫌な予感がするなぁ、と言いながら出て行った彼はそのまま帰ってくる事はなかった。
僕は信じられなかったけれど、彼と僕の就職先の他の忍者からの報せの中に遺品まで混じっていたのだから、もう信じるしかなかった。
僕はそれを見て、久しぶりに泣いた。
仙蔵が死んだ時は、あれが最後の姿だったのかとそれだけを思ったはずなのに。
そうだ、僕は、世界にたった一人になってしまったのだと、それが悲しくて泣いたのだ。
僕は何時もおいて行かれる。
実習の時も、僕は救護班に割り振られて、近くまでは行っても彼らが戻ってくるのを待っているだけだった。
何時もそうだ。
こんな時くらい、僕も連れて行ってほしい。
今さら神様なんて信じる気にもなれないが、それでも僕は…今度ばかりはそれに祈らずには居られなかった。
それでも、僕が執拗にこの世にとどまっているのは…きっとその神様が僕の願いをかなえるのを拒否しているのだろう。
僕は本当に運がないのだ。
end
後書き
何となく最後に残るのは伊作じゃないかと思ってしまいます。
ここの二人は友情で、お願いします。