朝日とコーヒー

朝をここで過ごした時の日課となっている。
兵助が三郎の家で朝を過ごした時の決まりは、二つある。
一つは基本的に朝を抜く三郎のために朝食を作ることだ。
そしてそれは三郎の双子の兄である雷蔵からの頼まれごとだった。
「どうせ、毎日でも泊まるんでしょ?」
と言われてしまえば、断るわけにはいかなかった。
弟を任せるのだからそれくらいしてくれということなのだろう。
そして、もう一つ。
これは三郎からの要望だった。
一度、兵助がコーヒーを豆から挽いたことがことがあった。
それまでブラックはほとんど飲めないと言っていた三郎はそのブラックを飲んで一言「美味い…」と言ったのだ。
じゃあ、朝淹れようか?と提案するとこくんと飲みながらうなずいたので、今日までずっと入れている。
三郎の家はやたらと暖房をかけるから、正直上半身裸で、ジーンズだけという格好でも暑がり気味の兵助には丁度いいのだ。
がりがりという固いものをつぶす音と共に、豆挽き機からは芳ばしいコーヒーの匂いが漂い始める。
その豆を使ってコーヒーを入れるのだ。
こぽこぽと小気味よい音を立てながらコーヒーがサーバーへとたまっていく。
それを見ながらそろそろ三郎を起こさないとなぁと時計を見た。
すでに時計の針は9時を示している。
いくら休日といえど寝て過ごすなんて兵助の選択肢にはない。
マグカップを二つ手にして、そこに淹れたコーヒーを注ぐ。
湯気が立っているそれを持って部屋に行くと、珍しく三郎は起き上がっていた。
寒いからと近くい合ったパジャマの上を羽織って、ぼーっとしてるのは見慣れた光景だ。
「三郎、おはよう。ほら、コーヒー」
そう言ってマグカップを手渡してやれば、んと言いながらそれを受取って、吹き冷ましながら口に運んでいる。
それを見て、さぁとカーテンを開ければだいぶん高くなった太陽から注がれる日光が部屋に差し込んだ。
それに眩しそうにしている三郎を見ながら兵助もベッドに腰掛ける。
「目、覚めそう?」
と尋ねると、たぶん、という曖昧な返事が返ってきた。
つ、と視線をそちらへとやれば、昨日の情事の痕の残る胸元がのぞく。
それに目の毒だなぁとか思いながら兵助は外へと視線をやった。
後ろではコーヒーをすする音が響いている。
そうだ、今日は溜まっている洗濯物を片づけてしまおうと、ベッドで一日でもいいかもと思ってしまった思考を振り払うのだった。

end

現代版久々鉢の朝、その2です。寝ぼけてコーヒーを飲む三郎にドキドキする兵助とか好きです(何)
このあと、背中に向かって三郎がこてっとかするとこの人、もう我慢できそうにないですが(笑)あぁ、そして夜も更けてきたので、え、エロとか書いてもいい、時間ですかね?(ドキドキ)