鼻緒の切れた下駄

現パロで綾部×♀タカ丸です。

夏祭りに一緒に行こうと誘ってくれたのはタカ丸さんからだった。
近所の神社でそれは盛大な祭りがあると言っていた。
私は人込みはあまり好きではなかったけれど、タカ丸さんが浴衣を着てくれるというから、行くことにした。
この日のタカ丸さんは本当に可愛かった。
薄オレンジ色に桜模様の浴衣を着て、髪もいつもより飾り立てていた。
ポニーテルの結び目にはかんざしが一つ刺さっていて、その飾りが歩くたびにしゃらんと揺れた。
赤い提灯がいっぱいかかっていて、私が手を差し出すと、タカ丸さんはちょっと照れて、それから握り返してくれた。
途中で綿飴を食べて、それからかき氷を半分づつにして、それからたこ焼きとか焼きそばとかを食べた。
お互いに食が太いといろいろ食べれるからうれしい。
「美味しかったねぇ、喜八郎。次は何食べようっか?」
「金魚すくいとか、射的とかはしないんですか?」
そう言うとタカ丸さんは「あ、そっか」と小さく笑った。
「俺、縁日はご飯を食べる場所って感じの方が強くってさ。喜八郎は?そういうの得意なの?」
聞かれれば、私はボールすくいのところで足を止めた。
そう言えば、いつもここでいくつか取っていくと思いだして「あれなら」と返事をする。
そっかぁ、とタカ丸さんは感心したように言ったけれど、結局することはなかった。
とんとん、と二人で手をつないで歩いていれば、最終的に境内の前までやってきてしまう。
上の社の方は狭すぎて、その鳥居のところ、会談の前までしか店は出ていない。
上まで行きますか、と聞こうと思ってタカ丸さんを見上げるとぷちと彼女の足元で何かが切れる音がした。
「あ…」
二人の声が重なって、下を見ればタカ丸さんの下駄の鼻緒が切れていた。
可愛らしい赤い色の鼻緒は無残にもはける状態ではなくなっている。
「ドラマみたいなの本当にあるんだねぇ」
これ古かったせいかなぁ、と苦笑をこぼしている。
「これだと上までいけないよねぇ」
残念そうに言うから私も少しだけさびしくなって、「おぶって行きましょうか」と言おうとした。
「あ、でもこうすれば良いよね」
そう言って、タカ丸さんは下駄を脱いでそれを両手に持つ。
カラン、と木と木のぶつかる軽い音が響いた。
ふふ、と小さく笑ってタカ丸さんがこちらを見つめた。
「こうやって裸足になるとね、足の裏がぐにぐにした感じになって面白いんだよ」
そう言って、彼女はとん、と階段へと足を乗せた。
ふふ、と小さく笑いながらタカ丸さんはどんどん上にあがっていく。
楽しげなその声を聞いていれば、私も追いかけなければと思って、そのあとを追った。

end

と、前に日記で書いた綾部×♀タカ丸です。女体になってもさして変わりないこの二人…。 別の女の子でなくてもいいかもしれないですね。でもピンクオレンジの浴衣を着てほしかったので、女体にさせていただきました。